閉鎖されてしまった鉱山のターコイズは コレクターやアーチストの所持していたものなどが取引されています。よって、希少価値が上がり、手に入れるのにも 一苦労します。現在世界中で取引されている石の8割は中国かチベットで採掘されたものです。中国産ターコイズは ナチュラルなものもありますが、人工的に処理されてあるものが殆どです。
ターコイズの相場は、以下の質や希少性によって、1カラット$40〜高いものでは$100以上します。 ダイアモンドなどとちがって、1カラットしかないターコイズジュエリーはあまり見かけません。インディアンジュエリーにはターコイズが ふんだんに使われていたりするので、それ相応の値段がついてきます。
一番もてはやされ、コレクションする価値があるとされるのはもちろんナチュラルターコイズです。ナチュラルなままで装飾品として堪え得る硬度もあり、 磨けば輝く石です。硬度の補強されたstabilized(スタビライズド)はその後にきます。なかでも、 チョークと呼ばれるような部分の石をさせたターコイズは安価で、色も付け足してあります(インヘンスド、enhenced)。更に、そのチョークを一度粉にして、色とエポクシーと呼ばれる樹脂を加えて固めたものは Reconstituted(リコンスティチューテッド)と呼ばれています。 treated(トリーテッド)oiled(オイルド),waxed(ワックスド)と呼ばれるターコイズは、動物性もしくは植物性オイルを使ってつや出ししたものです。
大昔のインディアン達も動物性のオイルを使って、ターコイズの色つやを出していたそうです。
その後に続くのは、様々な”偽物”で、ハウライトと呼ばれる白い石を染めたものから、 プラスチックや ガラスのものまで色々あります。偽物作りも高度化していて、スパイダーウェブを書き込んだものや、pyriteに見せかけた銀の浮遊物まで入れ込んで あるものも存在します。
本物のナチュラルターコイズを手に入れたい場合は、 評判の良いインディアンジュエリー専門店で買う事をお薦めします。ただし、現在市場に出回ってるターコイズの9割以上がstabilized(もしくはそれ以下)であるようです。 ターコイズの見分け方は別ページで説明しています。
年々ターコイズの産出量が減っていってしまったお陰で、ターコイズの処理法も発展しています。耐久性が増すように処理する事は昔から様々な方法がなされて いたのですが、
初期的な処理法は、透明な樹脂などを使って多孔質のターコイズのミクロの穴を埋めて、硬度やつやを出すのに使ったりしていました。ザッカリー法と 呼ばれる近年の技術では顕微鏡で見ない限り分からないくらいの技術に発展してしまっています。
ナチュラルターコイズの中でも更にジェムグレードと呼ばれるものは、5%くらいしかありません。硬度があるので、色に深みがあり、息をのむような美しさがあります。 ナチュラルな石のグレードは次の4点で格付けされています。
閉山されてしまった鉱山が多い事からも分かるように、その鉱山の産出量もターコイズの値段を左右します。希少性の高い、既に閉鎖されてしまった鉱山のものや、 hat maine(帽子で被せる事が出来るくらいの量しか産出しなかった鉱山)から採れたターコイズの値段は一般に流通してるものとは比べ物にならないような値段がつきます。
有名なhat mineのランダーなどは1カラットで$100〜します。
ターコイズの値段は上記の理由を加味して、だいたいこういう風に決定されているようです。
もちろん、これに加工代や、デザイン料、シルバーの値段、リテール料金などが足されて最終的な値段になります。
ターコイズの質のみでなく、アーティストの名前もインディアンジュエリーの価値に含まれます。著名な作者の作品にはアンティークでも相応の値段がつきます。 また、毎年サンタフェで行われるジュエリーショーなどで入賞したアーチストの作品も値段が上がります。
アンティークの場合、1910年以前のものはレアなので、かなり本格的なコレクターや美術館の間で取引されます。 20〜30年代のフレッドハーベイイラと呼ばれる安価で、 いかにもインディアンを連想させるデコレーションの多いスタイルの期間のものもコレクターがいます。
アンティークのインディアンジュエリーは、時代によってそのスタイルが変化していっているので、 集めるのもなかなか面白いです。